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大森元貴の作曲の仕方:感覚と理論を超える制作スタイルの全貌

Mrs. GREEN APPLEの楽曲が持つ、一度聴いたら忘れられないキャッチーなメロディや心に刺さる歌詞。一体どのようにして生み出されているのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。私自身、彼の作る音楽に触れるたびに、その才能の底知れなさに驚かされる一人です。多くのヒット曲を世に送り出し続ける彼が、どのような手順で、どんな機材を使って、そしてどんなマインドで作曲に向き合っているのか。この記事では、インタビューやメディアで語られた情報を整理し、天才と呼ばれる彼の創作の裏側に迫ります。これから作曲を始めたいと思っている方や、制作に行き詰まっている方にとっても、新しい視点やヒントが見つかるはずです。

  • 大森元貴が実践する具体的な作曲手順とスピード感の秘密
  • 音楽理論や楽譜に対する独自のスタンスと習得背景
  • 愛用している機材やDAWソフトなどの制作環境
  • プロだけでなく初心者も参考にできる制作マインドセット
目次

大森元貴の作曲の仕方と天才的な制作背景

Mrs. GREEN APPLEのフロントマンであり、全楽曲の作詞・作曲・編曲を手がける大森元貴さん。彼の音楽制作は、常識にとらわれない独自のスタイルで知られています。ここでは、彼がどのようにして音楽の道を志し、現在のスタイルを確立していったのか、その背景にあるエピソードや具体的な手法について深掘りしていきます。

作曲を始めたきっかけと時期

大森元貴さんが作曲を始めたのは、なんと小学校6年生(12歳)の頃だと言われています。多くのミュージシャンが高校生くらいでバンドを組み始めることを考えると、かなり早いスタートだったことがわかりますね。きっかけは非常にシンプルで、「卒業式の謝恩会で目立ちたい」という純粋な動機からだったそうです。当時、兄が持っていたベースを手にし、そこから音楽の世界にのめり込んでいきました。

「コピーできないなら作る」という逆転の発想

楽器を始めたばかりの初心者は、好きなアーティストの曲をコピー(模倣)することから入るのが一般的です。しかし、当時の大森さんは「既存の曲をコピーするのが難しかった」と感じたそうで、そこで諦めるのではなく、驚くべき行動に出ます。それが「コピーできないなら、自分で弾ける曲を作ればいい」という発想の転換でした。

このエピソードは、彼のクリエイティビティの根幹を表しているように思います。「技術が足りないから音楽ができない」と考えるのではなく、「今の自分にできる範囲で表現する」というスタンス。これが結果として、誰の真似でもないオリジナリティあふれる楽曲を生み出す土壌となったのです。「できない」を「やらない理由」にせず、「できる方法」を模索する姿勢は、これから何かを始めようとする私たちにとっても大きな勇気を与えてくれます。

現在では高度な演奏技術を持っていますが、原点にあるのは「自分の感情や頭の中にある音を形にしたい」という初期衝動だったのでしょう。技術練習よりも創作活動を優先させたことが、彼を作曲家として早熟させた大きな要因だと言えそうです。

楽譜や音楽理論に関する知識

「あれだけ複雑で美しい曲を作るのだから、さぞかし専門的な音楽教育を受けてきたのだろう」と思うかもしれませんが、実は彼は楽譜の読み書きもほとんどできない状態からスタートしています。ピアノ教室に通ったり、音楽大学で理論を学んだりした経験はなく、完全に独学でそのスタイルを築き上げました。

耳と感覚で理論を体得するスタイル

彼はいわゆる「音楽理論」を机上で学んだわけではありません。しかし、圧倒的な数の楽曲を聴き、そして作り続ける実践の中で、感覚的に理論を身体に染み込ませていったタイプです。「この音の次にこの音が来ると気持ちいい」「このコード進行は切なくなる」といった法則を、教科書ではなく自分の耳と心で発見していったのです。

例えば、インタビューなどでコード進行について問われた際も、「理論的な正解」よりも「響きの心地よさ」を優先して選んでいると語ることがあります。しかし、完成された楽曲をプロが分析すると、非常に高度な転調(キーが変わること)や、ジャズやクラシックでも使われるような複雑なコードワーク(ノンダイアトニックコードなど)が巧みに使われており、結果として理にかなっていることが多いのです。

独学の強みとは?
理論を先に学ぶと「これはやってはいけない」というルールに縛られてしまうことがありますが、独学の場合はその制約がありません。彼の楽曲に見られる予測不能な展開や斬新なメロディラインは、理論に縛られない自由な発想があったからこそ生まれたものだと言えるでしょう。

もちろん、プロとして活動する中で必要な知識は後から補完されていったはずですが、スタート地点において「理論がないと作曲はできない」という固定観念を壊してくれる存在です。もしあなたが「独学で音楽をやっていけるか不安」と感じているなら、以下の記事も勇気付けられる内容かもしれません。ジャズピアノの文脈ですが、独学での習得プロセスについて詳しく解説しています。

ジャズピアノの独学は無理?限界を超える練習法と成功ルート

歌詞とメロディが同時に降りてくる

楽曲制作の手順として、多くのアーティストが「曲先(メロディを作ってから歌詞を乗せる)」か「詞先(歌詞を書いてからメロディをつける)」のどちらかを採用しています。しかし、大森さんの場合は「歌詞とメロディが同時に降りてくる」という、非常に稀有なスタイルを持っています。これを彼は「同時進行」や、日常会話の延長のようなものと表現することがあります。

言葉の響きとメロディの融合

ギターやピアノを弾きながら、コードを鳴らした瞬間に、鼻歌と一緒に言葉が自然と口をついて出てくるそうです。無理に言葉を当てはめるパズル的な作業ではなく、感情と言葉と音が一体となって湧き出てくる感覚に近いのかもしれません。そのため、彼の楽曲はメロディの抑揚と日本語のイントネーションが完璧にリンクしており、聴く人の耳に違和感なく、かつ強く残るフレーズが生まれるのです。

例えば、Mrs. GREEN APPLEの楽曲には、早口で畳み掛けるようなパートや、突然ロングトーンで歌い上げるパートなど、起伏に富んだ展開が多いですが、これらは「計算して作った」というよりは、「感情の高ぶりに合わせて自然とそうなった」という結果なのかもしれません。言葉の持つリズム感や響き自体を、一つの楽器として捉えているようにも感じられます。

この「同時進行」スタイルは、シンガーソングライターならではの強みです。もしあなたが作曲に挑戦するなら、まずは楽器を触りながら、意味のない言葉でもいいので即興で歌ってみることから始めてみると、この感覚に近づけるかもしれません。

天才と呼ばれる制作スピードの秘密

大森元貴さんを語る上で外せないのが、異常とも言える制作スピードの速さです。1曲のデモ音源(試作品)をフルコーラス作り上げるのに、数時間もかからないことがあると言われています。時には、食事をとるような感覚で、日常のルーティンとして曲を生み出しているようです。実際に、リハーサルの合間や移動中の短い時間にもPCを開いて作業を進める姿が目撃されています。

「迷わない」という最強のスキル

このスピードを支えているのは、DAW(作曲ソフト)の操作スピードもさることながら、何よりも「迷わない決断力」です。音色選びやフレーズ作りで「Aがいいか、Bがいいか」と悩み続けるのではなく、直感で「これだ」と思ったものを即座に採用していく。この判断の速さが、作業全体の時間を劇的に短縮しています。

スピードが生むメリット

  • 楽曲の鮮度を保てる: 作り始めた時の「熱量」や「感情」が冷めないうちに完成させることができる。
  • 修正の余地が生まれる: 早く形にすることで、バンドメンバーと合わせたり、アレンジを詰めたりする時間を確保できる。
  • モチベーション維持: 「完成した」という達成感を頻繁に味わうことで、次作への意欲が湧く。

クリエイターにとって「迷い」は時間の最大の浪費です。彼は自分の感性を信じ切っているからこそ、「最初の直感が一番正しい」というスタンスで制作を進められるのでしょう。この「悩みすぎない」姿勢は、プロだけでなく、趣味で音楽を作る人にとっても非常に参考になるマインドセットです。

膨大なストックと多作の理由

メジャーデビュー前から数百曲のストックがあったというのはファンの間では有名な話ですが、現在でもその創作意欲は衰えていません。彼は「アウトプットし続けないと、自分の中が淀んでしまう」といった感覚を持っているようで、まるで呼吸をするように曲を作り続けています。

感情のアーカイブとしての楽曲

彼にとって作曲は、日記を書くことと同義なのかもしれません。その日に感じた喜び、怒り、悲しみ、違和感といった感情を、文字ではなく音楽として記録する。そうして生まれた楽曲たちは、彼自身の人生のアーカイブ(記録)となります。「最高傑作を作ろう」と気負ってデスクに向かうのではなく、日常の延長線上で制作を行っているからこそ、枯渇することなく泉のように楽曲が湧き出てくるのだと思います。

また、彼は中学生時代に作った曲を、プロになってからアレンジし直してリリースすることもよくあります。これは、過去のアイデアを決して無駄にせず、大切にストックしている証拠です。「今は形にならなくても、いつか輝く時が来るかもしれない」。そう信じて、断片的なアイデアでも保存しておく習慣が、膨大なストックを支えているのです。

大森元貴の作曲の仕方から学ぶ実践テクニック

ここまで彼のエピソードやマインド面を見てきましたが、ここからは私たち一般のクリエイターや、これから作曲を始めたい人が真似できる具体的なテクニックや環境について、技術的な側面からヒントを探っていきます。

愛用する機材やDAWソフト

大森元貴さんがメインで使用しているDAW(作曲ソフト)は、AppleのLogic Proであると言われています。Macユーザーにとっては定番中の定番ソフトであり、プロの現場からアマチュアのベッドルームまで、世界中で幅広く愛用されています。

なぜLogic Proなのか?

Logic Proは、直感的な操作画面と、購入した時点ですぐに使える膨大な音源ライブラリが特徴です。大森さんは、高価なハードウェアシンセサイザーを何台も並べるというよりは、パソコンの中のソフトウェア音源を駆使して完結させる「イン・ザ・ボックス」と呼ばれるスタイルを中心としているようです。

「どんな機材を使うか」よりも「どう使うか」を重視しており、Logic Proに標準搭載されている音源やApple Loops(ループ素材)も、加工したり組み合わせたりして積極的に活用しています。これは、機材に何十万円もかけられない初心者にとっても非常に勇気付けられる事実です。「プロと同じソフトを使えば、同じような環境は作れる」ということですから。

項目 大森元貴さんの傾向 初心者へのヒント
メインPC MacBook Proなど(Apple製品) MacがあればGarageBandから始められる
DAWソフト Logic Pro GarageBandの上位互換。移行がスムーズ
音源スタイル ソフト音源中心 まずは付属音源を使い倒すことが重要

詳しくは、(出典:Apple公式サイト『Logic Pro』)などで最新の機能を確認してみると良いでしょう。プロが使うツールといっても、決して手の届かないものではないことがわかるはずです。

また、シンセサイザーや音作りの基礎について知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

シンセサイザーとは?ピアノとの違いから音作りまで解説

ボイスメモを活用したアイデア保存

スタジオやデスクに向かっている時だけでなく、移動中や入浴中、就寝前など、ふとした瞬間にメロディが浮かぶことは誰にでもあります。そんな時、彼が最強のツールとして活用しているのがスマホのボイスメモです。

「恥ずかしい」を捨てる勇気

浮かんだメロディや歌詞のフレーズをその場でスマホに向かって吹き込み、絶対に逃さない。簡単なようでいて、外出先で鼻歌を録音するのは少し恥ずかしいものです。しかし、大森さんは場所を問わず、アイデアが降りてきたら即座に記録すると言います。「後で思い出そう」は創作において最大の敵であり、二度と同じニュアンスのメロディは出てこないことを知っているからです。

この習慣は、誰にでも、今すぐにでも真似できるテクニックです。高価なマイクも防音室も必要ありません。必要なのは「恥ずかしさを捨てる勇気」と「スマホ」だけ。録音したボイスメモを聞き返して、良いと思ったものをDAWに取り込み、そこから肉付けをして曲に仕上げていく。このワークフローこそが、数々の名曲を生み出す第一歩となっています。

ピアノやギターの習得プロセス

前述の通り、元々はベーシストとして音楽をスタートさせた彼ですが、作曲の幅を広げるためにギターを覚え、さらにピアノも習得していきました。ここでも「習うより慣れろ」の精神が貫かれています。教則本を1ページ目から順に進めるのではなく、「作りたい曲に必要なコード」から逆引きで覚えていったと考えられます。

マルチプレイヤー視点のアレンジ

特にピアノに関しては、コードの構成音を鍵盤上で視覚的に把握できるため、作曲におけるアレンジの幅を広げるのに役立っているようです。ギターで作る曲とピアノで作る曲では、手癖や響きの特性が異なるため、自然と曲調も変わってきます。複数の楽器を操れることは、作曲の引き出しを増やす上で非常に有利です。

注意点:楽器習得の罠
複数の楽器に手を出すと、どれも中途半端になりがちです。しかし、彼の場合はあくまで「作曲のためのツール」として割り切って習得している点がポイントです。超絶技巧のピアニストやギタリストを目指すのではなく、自分の頭の中で鳴っている音を具現化するための手段として楽器を捉えています。「曲を作るために最低限弾ければいい」とハードルを下げることで、挫折せずに習得できたのかもしれません。

コード進行と感性を重視する姿勢

大森さんの楽曲制作において、コード進行は非常に重要な要素です。しかし、それは「音楽理論的に正しい進行」を守るということではありません。自分が「美しい」「切ない」「高揚する」と感じる響きを徹底的に追求しています。

「エモい」を探す旅

時には、音楽理論的には「不正解」とされるような進行や、不協和音ギリギリの響きであっても、耳で聴いて心地よければ積極的に採用します。これがMrs. GREEN APPLE特有の、どこかセンチメンタルで、かつキラキラとした世界観を作り出しています。

これから作曲をする方は、理論書とにらめっこする前に、まずは自分の好きな曲のコード進行を真似してみたり、鍵盤やギターで適当に和音を鳴らして「自分の心が動く響き」を探す作業を大切にしてみてください。「この響きが好きだ!」という発見こそが、あなただけのオリジナリティになります。理屈は後からついてくるものです。

まとめ:大森元貴の作曲の仕方を学ぶ

大森元貴さんの作曲の仕方を見ていくと、天才的なひらめきだけでなく、それを逃さないための泥臭い習慣や、道具を使いこなす合理的な姿勢が見えてきます。決して特別な機材が必要なわけでも、幼少期からの英才教育が必須なわけでもありません。

彼のスタイルから私たちが学べるのは、「完璧な準備が整うのを待つのではなく、今ある環境と技術で作り始める」という行動力です。

今日から真似できるアクションプラン

  • 「できない」と諦めない: コピーができなければ、自分のレベルで作れる曲を作ればいい。
  • ボイスメモを習慣化する: 鼻歌でも断片的な言葉でも、恥ずかしがらずにすべて記録する。
  • まずは完結させる: クオリティにこだわって未完成のまま放置するより、短くてもいいので1曲作り切る癖をつける。
  • 感性を信じる: 音楽理論がわからなくても、自分の耳が良いと感じた音は「正解」とする。

「自分も曲を作ってみたい」という初期衝動を大切に、まずはスマホの録音ボタンを押すところから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたの音楽人生を大きく変えるきっかけになるかもしれません。

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